緊急事態宣言”解除”!気になる「新型コロナ」のワクチン・治療薬開発はどこまできているの?
新型コロナウイルスに対して国内で使える治療薬は、現在1つだけ。
元々はエボラ出血熱用に開発したレムデシビル(ベクルリー)ですね。
医薬品は海外で治療薬として承認されたとしても、日本で改めて臨床試験を実施し承認される必要があります。
「新型コロナウイルス」に対する国内の「治療薬」と「ワクチン」の開発現状はどうなっているのでしょうか?
【もくじ】
治療薬
「新型コロナウイルス」に対する治療薬を新規で開発するには、通常約10年の時間を要します。
そのため
別な疾患で既に承認されている治療薬を「新型コロナウイルス」治療薬として開発する事が一番の近道です。
既存薬からの候補
大きく2つに分けられます。
「抗ウイルス薬」と「重症患者の対する治療薬」です。
「抗ウイルス薬」
”レムデシビル”は既に日本でも承認されていますね。
”レムデシビル”を含め、9種類の抗ウイルス薬が「新型コロナウイルス」の治療薬として開発中です。
そのうち4つは日本のメーカーが開発しているようです。
一番注目されているのはアビガン(富士フィルム)ですね。
数日前に中間解析をした結果、安全性に大きな問題はないため臨床試験の継続が決定していますね。
注目すべきは、この中間解析に著名な有効性(効果)が認められれば、治験は終了になったはずだということです。
裏返すと、際立つ有効性はこの時点では認められなかったという事。
詳細は発表されていませんので、どれくらいアビガンに効果があるのかわかりません。
残りの時間で数多くの患者に参加いただき、対象薬(偽薬)に対してわずかに有効性が示せるかどうかに期待がかかっていますが、厳しいのではないでしょうか。
中国で既にアビガンの有効性が認められていますね。
試験の母集団(患者の病気の程度など)が違えば、全く違う結果がでます。
そのため、中国の結果は参考程度として考えるできです。
国内でもアビガンの服薬患者で改善が見られたじゃないかという声をあるかと思います。
今回の試験はアビガンと偽薬(効果のないプラセボ) で実施されています。
プラセボを服薬した患者でもプラシーボ効果という、心理的な面が作用して効いていると錯覚する場合があります(患者さん的には良い事です)。
そのため、試験が終わるまでアビガンで効果があったのか誰もわかりません。
(実際には、中間解析した医師だけは知っています)
その他の抗ウイルス薬については、これから臨床試験を実施予定が多く、ゴールが設定された薬剤はないようです。
「重症患者の対する治療薬」
11種類の候補薬剤があるようです。
日本では「中外製薬」が抗リュウマチ薬”トシリズマブ”が「新型コロナウイルス」の治療薬となるかどうか、国際試験でP3実施中。
年内の承認申請を目指しているようです。
前相(P2)の結果を受けて、効果がみられP3に移行しているため期待ができます。
エーザイはTLR4拮抗薬”エリトラン”で6月から臨床試験を計画中のようです。
バリシチニブ(米イーライリリー)は6月に結果が出る予定のため、承認は速そうです。
「重症患者」に対する治療薬は年内にはいくつか承認されそうに思います。
新規治療薬
「新型コロナウイルス」をターゲットに開発された治療薬の開発状況はどうでしょう。
7つの治療薬が開発中です。
(出所:Answers news)
武田は米CSLベーリングと提携し、これから国際試験を実施予定で、承認申請時期は未定です。
その他の新規治療薬も、今夏にP2試験予定となっており、来年以降に効果が判断されたり承認が可能となります。
通常、新規治療薬は5年以上は臨床試験に要しますが、どれくらい短時間で実施でき承認プロセスが短くできるか厚労省も検討してほしいですね。
ワクチン開発
5月25日、都市圏の「緊急事態宣言」が解除になる予定ですね。
自粛の効果がでました。
治療薬については年内に幾つか使えそうですが、予防策として「新型コロナウイルス」に感染しないために”ワクチン”の開発が急務です。
開発状況はどうなっているのでしょうか。
候補ワクチンは15種類、そのうち臨床試験実施中のワクチンは8種類あるようです。
日本初は、2社と1大学のが頑張っています。
ワクチンでは、モデルナのmRNA-1237が報道されていますね。
8名で実施した試験で抗体が確認できたという、非常にうれしいニュースでした。
7月にはP3試験を実施し、年内承認が期待されます。
でも、米国のワクチンなので、日本に供給してくれるかどうかわかりません。
そのため、日本も3施設で独自のワクチンを早期に開発してほしいですね。
田辺三菱のワクチン試験が11月に終了予定のようですので、試験が成功すれば国内で一番早い承認になります。
まとめると
治療薬は、レムデシビル とアビガンが先頭を走っています。
アビガンに効果が認めれれば、5月か6月には承認されるかもしれません。
そうなると、第2波の感染爆発の際の強力な治療薬になりそうです。
アビガンに治療効果がなかった場合、年内の軽症者用の治療薬はないです。
重症患者には、治療薬が年内に幾つか承認が期待できます。
感染爆発を抑えるために、今私たちにできる事は外出時はマスク着用するなど、自覚ある行動をとることですね。
新らしい治療薬、こちらは来年以降に期待です。
ワクチンは年内に国内でも承認され、年明けには供給できる可能性があります。
3密をさけ、新しい生活スタイルで過ごしていきましょう!
はげみにしています